快適FF14ライフへ!IPv6でPing問題を根本から解決
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はじめに
オンラインゲームを楽しむ上で、快適な通信環境は欠かせません。
特に、ファイナルファンタジーXIV(FF14)のようなMMORPGでは、
少しの遅延もゲームプレイに致命的な影響を及ぼすことがあります。
FF14プレイヤーが直面するPing問題の改善は、快適なプレイ環境を実現する上で重要な課題です。
本記事では、FF14のPing値を効果的に低下させる方法として、IPv6環境の活用に焦点を当てます。
筆者自身が実践しているIPv6を用いた通信環境の最適化技術を交えつつ、
FF14でのPing問題改善への積極的なアプローチをご紹介します。
Ping問題とは?
Ping問題とは、データがゲームサーバーとプレイヤーのコンピュータ間を行き来する際の遅延を指します。
この遅延は、レイテンシとも呼ばれ、ゲームプレイにおいて重要な役割を果たします。
Pingの遅延は、ネットワークの混雑、サーバーの距離など、さまざまな要因によって引き起こされますが
プレイヤーとゲームサーバ間の応答速度を示す数値である「Ping値」が高い場合は、
ゲーム内での動きの遅延(ラグ)を引き起こす可能性があります。
PING値はパソコンから簡単に確認できます
Windowsならば「コマンドプロンプト」を開いて、ping <宛先IPアドレス>を入力してEnterを押すだけ。
以下は筆者環境からFF14のガイアデータセンターのIPアドレス宛にPINGを実行した場合の画面です。
IPv6とは?
IPv6は、インターネットプロトコルの新しいバージョンで、IPv4のアドレス不足の問題を解決し、
より効率的なデータ伝送を可能にします。
IPv6はより大きなアドレス空間を持ち、通信の効率化がなされています。
このためPING値が低くなる傾向があります。
また、従来のIPv4方式において混雑の原因になっていた「網終端装置」を
IPv6では使用しないため、回線の混雑が発生しにくい仕様になっているのもポイントです。
IPv4 over IPv6について
ここまでIPv6の長所を説明してきましたが弱点もあります。
それはIPv6はIPv4のみに対応したサービスへのアクセスが不可能であるという点です。
2024年3月時点でFF14はIPv6に対応していませんので、そのままではIPv6での接続は出来ません。
この弱点を補うのが「IPv4 over IPv6」と呼ばれる通信規格です。
IPv4 over IPv6は、混雑しにくい「IPoE」接続を使用するIPv6に加えて、
「PPPoE」接続を使用するIPv4へも通信できるハイブリッドな通信規格です。
つまり、IPv6の混雑が発生しにくいという長所を享受しつつ、
IPv4のサービスにも接続できるという、まさに「いいとこ取り」な規格です。
ISP(プロバイダ)を乗り換える場合は、
IPv4 over IPv6の通信規格を採用しているプロバイダとプランを選びましょう。
IPv6を使ってFF14のPing問題を解決する方法
IPv4 over IPv6サービスを使用することで、従来のIPv4と比較して通信環境が改善され、
高いPING値による通信の遅延(ラグ)が解消できる場合があります。
IPv6を利用するためには、対応したISP(プロバイダー)とルーターが必要です。
ご自身が契約しているISPや使用しているルーターがIPv4 over IPv6に対応しているか
確認をしてみましょう。
筆者が実際に使用しているISP
筆者が使用しているプロバイダーはNiftyになります。
筆者が実際に使用しているルーター
バッファロー製のWSR-6000AX8P-MBというルーターです。
実際にIPv6でPingが改善された事例
筆者環境での実際の事例を紹介します。
IPv4時代は遅延によってダンジョンで敵や味方止まった後にワープしたり
クラフターのマクロが動作せずに失敗したりしていましたが、
IPv4 over IPv6サービスに切替後はこの様な事象はほぼ発生しなくなりました。
PING値が低くなることにより遅延が起きにくい環境になったことが要因かと思います。
また、以下のグラフは筆者の通信環境でPING値が改善したことを示す資料となります。
グラフは筆者環境からFF14のガイアデータセンターへPINGを実行した時の値の平均を表していて、
PING値(単位:ms)が高いほど遅延が発生しやすい状況にあります。
IPv4方式は平均値こそ8msですが、最大で49.57msまで増えたりと通信品質にバラつきがあり、
特にゴールデンタイムとなる夜間はPING値が高い傾向にあります。
一方で、IPv6(IPv4 over IPv6)方式は平均・最大PING値ともに5ms前後に留まっており、
また時間帯によってPING値にバラつきがなく安定した通信を保てていることが分かります。
このようにIPv6環境にすることで通信の安定性が確保できることが客観的資料からも確認できます。
まとめ
・PING値が高いとゲームプレイ中に遅延(ラグ)が発生する可能性が高くなる。
・従来のIPv4通信では遅延が発生しやすい。遅延を低減するにはIPv6での通信が効果的。
・IPv4とIPv6の両者「いいとこ取り」であるIPv4 over IPv6サービスがおすすめ。
・実際に筆者の環境ではIPv4 over IPv6に切り替えることでFF14のラグが大幅に改善した。